Tabe/Tquを立ち上げた理由とは?
Tabe/Tquは、現役の料理編集者2人と、今はIT分野で活動している料理雑誌の元編集者の3人で立ち上げました。20年以上前に同じ会社(料理雑誌の出版社です)でデスクを並べていた元同僚です。
3人ともタイプは違えど、それぞれ料理好きの食いしん坊。毎日のごはん作りに追われることもあれば、ときに料理すること自体を楽しみながら、じっくり料理と向き合うこともあります。
ちなみに料理編集者の2人は、動画編集はおろか、動画撮影に立ち会ったこともなかったほど、動画のずぶの素人です。ウェブ媒体に関わる機会も多くはなく、いわゆる紙の本、紙の雑誌で長年仕事をしてきました。今でも手描きでラフコンテを書いているほど、生粋のアナログの紙の編集者です(笑)。
そんな私たちがなぜ、突然、デジタル分野である動画料理教室を始めることにしたのか、ちょっとだけ読んでいただいていいですか?
なにかと時間に追われている現代社会、料理を日々作る人たちの日常も忙しくなるばかりです。すると、雑誌や書籍、テレビなどで取り上げられる料理は、どうしても今晩のおかずにすぐ役に立つものが中心になります。
料理家も、料理編集者も、「簡単で材料も少なくて、時短でもあって、そのうえおいしい料理」という難題にいつも頭を悩ませながら、企画を考え、レシピを作り上げていっています。そんな日々の暮らしを助けてくれるレシピは必要不可欠。そう確信しながら料理家も料理編集者も、一生懸命、仕事をしています。
でも、その一方で、簡単、時短、手抜きという料理しか、目に飛び込んでこないことは、やっぱり気がかりです。YouTubeやインスタグラム、TikTokも同じで、いわゆるバズレシピは、いかに簡単か、いかに手早いか、そのうえ、一口食べたときにいかにパンチがある味に仕上げるか。そういうレシピばかりが増える傾向があります(もちろん、それがすべてではありませんが)。
簡単&時短料理は私たちの暮らしには必要です。でも、一方で、もっとおいしくするために手をかけた料理も、同じくらい大切。だから、その魅力やおいしさ、料理すること自体の楽しさも伝えたい。書籍で取り組むこともありますし、ときに雑誌で紹介する機会もあります。
でも、全部盛り込むことは、ページに限りがあって難しいですし、写真と文字だけでは伝えきれないことがあるのも現実です。
それなら、まるで本当に料理教室に通っているかのような気持ちになれる動画レッスンがあるといいのではないだろうか? そうすれば、料理家の知恵や技術、小さなコツを取りこぼすことなく伝えられるのではないだろうか?
料理がワクワクと楽しくなる、もっと料理をがんばりたくなる。そんな料理教室を届けたい。
そんなシンプルな気持ちから、Tabe/Tquはスタートしました。
それは多様性のある豊かな日本の食文化を残すことの一助になるのではないだろうかとも考えています。
まだまだ、拙い部分も多くありますが、みなさんと一緒に、おうちで通える料理教室『Tabe/Tqu(タベツク)』を育てていきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。
Tabe/Tqu運営スタッフ:中村裕子、藤平洋、加藤郷子